新卒採用で書類選考を廃止

日本経済新聞WEB(12月22日付け)によれば、「ロート製薬やソフトバンクなど新卒採用でエントリーシートによる書類選考を廃止する」というニュースがありました。

【出典】日本経済新聞 就活ES「AI頼み」が当たり前? 測れぬ熱意、ロートなど書類選考廃止(閲覧日2025/12/23)
【URL】https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC182OP0Y5A211C2000000/?n_cid=SNSTW005&n_tw=1766371400

新卒で、エントリーの段階から書類選考を廃止して対面にするという方針転換の変化に、今の時代を感じました。

今年はAI関連のニュースをほんとうに多く見かけましたが、感じることは、AIの普及と進化が進めば進むほど、アナログ的な価値を改めて見直そうとする動きが生まれてくるという点です。

もはや説明不要ですが、AIが書いた文章は整っていますし、構成も体裁もすばらしい。きれいごとでも、実際には思っていないことでも、それらしく書き上げてしまいます。学生側としてはAIに下書きを書かせてから、ファクトチェックして、言い回しを軽く修正してしまえば、書類なんてあっという間に一丁上がりとなります。

こうしたAI書類を書く(作る)学生は、ある意味、プロンプトスキルの高い学生とも言えますので、これはこれで優れた能力だと思います。

その一方で、学生の「考える力」が削がれていってしまうのではないでしょうか。

この「考える」という行為はしんどいことなので、誰でも億劫になりがちですが、それをぜんぶAIがやってくれるのです。基本的に人間は楽したい生き物なので、AIが代わりに考えてくれるというなら、これほど都合いいことはないでしょう。

では、採用する側が学生に求めているものは、なんでしょうか。

個別具体的なニーズは企業ごとに異なるにせよ、一般的には、学生が「どんな人か」「なぜ我が社なのか」「熱意や情熱はどこにあるのか」「我が社で何をしたいのか」といった志望動機の核となる部分は、どの会社でも重要視していると思います。こうした基本的なことが、もはや書類上で見極めることが難しいということなのでしょう。

こうした流れは、ビジネスマンとしても大事にしたい感覚だと思いませんか。みんながAI、AIと言い出したら、次に価値を持つものはその反対側にあったということはよくある話です。

今回のニュースでは、人事担当者への負担をかけてでも「リアル対面」をすること、つまり、それが非効率であってもそれ以上に「企業と学生のお互いにとって価値がある」ことなのだと、ロートやソフトバンクは決断したのでしょう。